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コミュニケーションを大切に

同じ病気でも治療法が1つとは限りません。

当院では可能な限り選択肢を提示し、

十分なインフォームドコンセント(理解と合意)を心がけ、

飼主様の希望にあった医療を提供できるように心がけております。

当院では、特に腫瘍症例の診断、治療に力を入れております。

一般診療

各種予防

混合ワクチンの接種、フィラリア症予防、ノミダニ予防などを行っております。

混合ワクチン

下記感染症を予防するワクチンです。年1回の接種をお勧めいたいします。

犬ジステンパー

呼吸器症状や消化器症状を示し、進行すると神経系が侵され、麻痺などを生じます。死亡率の高い病気です。

犬パルボウイルス感染症

激しい嘔吐、下痢、血便を示し、短期間で死亡することがあります。伝染力、致死率ともに高い病気です。

犬伝染性肝炎

発熱、消化器症状、眼の白濁などがみられ、子犬では突然死する場合があります。

犬アデノウイルス2型感染症

咳、鼻水などを示す伝染力の強い呼吸器感染症です。

犬パラインフルエンザウイルス感染症

いわゆる風邪のような症状を示し、二次感染が起ると肺炎などから死亡することもあります。伝染力の強い呼吸器感染症です。

犬コロナウイルス感染症

成犬の場合は軽度の胃腸炎で済むことが多いですが、子犬では重篤な消化器症状を示すことがあります。

犬レプトスピラ感染症

ネズミの糞尿や、このウイルスを持つ犬から感染します。人間にも感染する人獣共通感染症です。発熱、黄疸、肝炎、腎炎などを示し、致死率の高い病気です。

猫汎白血球減少症

発熱、消化器症状を示し、特に子猫では致死率の高い病気です。伝染力が強く、経過も早い病気です。

猫ヘルペスウイルス感染症

目やに、くしゃみ、鼻水などを示します。重篤化した子猫では命に関わることもあります。

猫カリシウイルス感染症

風邪の症状に加え、口内炎がみられます。稀に関節炎を生じ跛行することもあります。子猫では重篤化すると死亡することもあります。

猫白血病ウイルス感染症

主に感染猫の唾液を介して感染します。子猫の感染では、多くが3年以内に死亡すると言われています。
ワクチンアレルギーについて

人間と同様に、犬や猫でも稀にワクチンアレルギーを生じる場合があります。即時型では多くが1時間以内、遅発型では数時間後〜2,3日以内に発症します。

特に即時型のアナフィラキシーショックは即時の対応が必要となりますので、ワクチンはなるべく午前中に接種し、接種後1時間ほどはよく様子を見ていて下さい。変わったことがありましたらすぐに来院することをお勧めします。

フィラリア症予防

フィラリア症とは

犬が蚊に刺されたときに、蚊の唾液に混じってフィラリアの幼虫が犬の体内に入ることで感染します。感染した幼虫は成長しながら体内を移動し心臓に寄生します。約7ヶ月後には、長さ約20〜30センチほどの成虫にまで成長し、犬の体内でさらに繁殖します。寄生数が増えると心臓や肺に障害が生じ、死亡することもあります。

予防

栃木県鹿沼市地域では、毎年4、5月〜11、12月頃まで、月に1回の飲み薬で予防することができます。

予防開始前の検査

万が一感染している状態で通常通り予防薬を飲ませると、体内の寄生虫が一気し死滅し、最悪の場合、死に至る可能性があります。そのため、当院では予防を始める前に、毎年感染していないことを確認する検査を推奨しています。

猫のフィラリア症

猫も犬と同様にフィラリアに感染することが分かっています。犬ほど感染しやすくはないと言われていますが、感染すると少数の寄生で致死的となることがあります。猫のフィラリア症は肺の病気で、重篤な呼吸器症状を示し、死亡することもあります。感染後の治療法が確立されていないため、予防がとても重要な病気です。月に1回、首筋に滴下するタイプのお薬で予防することができます。

ノミダニ予防

ノミダニの寄生は犬や猫の問題だけでなく、人間にも影響を及ぼすことがあります。ノミが媒介するサナダムシは人間に寄生することもあります。また、人間がマダニにかまれることで生じる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、国内でも死者が出ています。犬や猫の健康はもちろんですが、飼主様のためにもノミダニ予防を推奨しています。

不妊手術

去勢・避妊手術

下記のようなメリット・デメリットがございますので、飼い主さまと十分に話し合った上で施術いたします。

メリット

性ホルモンに関連する病気(♂;前立腺疾患、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫、精巣腫瘍など、♀;乳腺腫瘍、子宮蓄膿症、卵巣腫瘍など)の発生率を低下させる。マーキングや発情によるストレスの抑制。

デメリット

術後に太りやすくなる。全身麻酔のリスク。

手術実績

子宮蓄膿症手術、乳腺腫瘍摘出、体表腫瘤摘出、チェリーアイ整復、眼球摘出術、甲状腺癌摘出術、胃切開、腸切開、腸端々吻合、膀胱結石摘出、膀胱腫瘍摘出、鼠径ヘルニア整復、臍ヘルニア整復、帝王切開、横隔膜ヘルニア整復など。

二次診療施設への紹介

当院での治療が困難と思われる重症な患者様は、埼玉・東京の二次診療施設へご紹介させていただく場合がございます。

セカンドオピニオン

同じ病気でも治療法が1つとは限りません。当院ではセカンドオピニオンもお受けしております。ご希望の方は。過去の検査データや、治療の経過等が分かる資料をお持ちいただきご来院ください。

腫瘍診療

腫瘍診療のいま

近年、予防医学の発展や飼育環境の改善などにより、犬や猫の寿命が延長しています。犬猫の高齢化に伴い、腫瘍(ガン)の発生も増加しており、高齢犬の約45%が腫瘍に関連して亡くなっているという報告もあります。

悪性腫瘍であっても早期発見、早期治療ができれば根治の可能性もあります。お腹の中や胸の中にできた腫瘍は外見では発見できませんので、特にシニア期に入った犬猫では、血液検査、レントゲン、超音波検査などの健康診断を行い、腫瘍の早期発見、早期治療を心がけましょう。

腫瘍の診断

腫瘤(しこり)に対しては、通常はじめに、負担の少ない細胞診を行います。一部の腫瘍は細胞診で診断がつくことがありますが、判断が難しい場合や悪性腫瘍が疑われる場合には、情報量の多い組織生検に進みます。

腫瘍患者を診断治療していく上で、病期の進行度は非常に重要です。各種検査から腫瘤が悪性腫瘍であると診断された場合、以下の手順で診断を進めていきます。

TNM分類

当院ではWHOが採用している悪性腫瘍の進行度を評価するTNM分類を用い、悪性腫瘍の進行度を評価しています。

T:原発巣

腫瘍が最初に発生した部位を原発巣と言います。身体検査、血液検査、レントゲン、超音波検査により原発巣の広がりを確認していきます。腫瘍の種類や発生部位によっては、CTやMRIなどの高度な画像検査が必要となることもあります。

N:所属リンパ節

腫瘍がリンパ管を通じて転移を生じる場合、まず始めに原発巣の所属リンパ節に転移を生じます。所属リンパ節は腫瘍の発生する部位によって変化するため、触診、レントゲン、超音波検査などにより確認します。

リンパ節の腫大が確認されたら、細胞診や組織検査により腫瘍の浸潤の有無を確認します。

M:遠隔転移

原発巣から離れた部位へ腫瘍が転移することを遠隔転移と言います。肺、肝臓、脾臓、その他、様々な部位に生じることがあるため、レントゲンや超音波検査などを用いて、遠隔転移の有無を評価していきます。

腫瘍の治療

治療の目的

上記のTNM分類により腫瘍の進行状況を把握し、治療の目的を決定します。治療目的は以下の3つに分けられます。

根治的治療

完全なる腫瘍の根絶が目的。治るならQOL(quality of life;生活の質)の若干の低下も許容

緩和的治療

QOLの向上・維持が目的、腫瘍増殖をできるだけコントロール

対症的治療

QOLの維持のみが目的

治療の種類

治療目的が決定したら、飼主様と相談の上、治療法を決定していきます。治療法は腫瘍の種類や発生部位によっても変化してきます。中心となる治療法は以下の通りで、必要に応じて組み合わせて治療を行います。

外科治療

多くの腫瘍で第一選択となる治療法です。腫瘍が限局していれば1回の手術で根治できます。必要に応じて術後に放射線療法や化学療法を組み合わせることもあります。

放射線療法

手術適応外の腫瘍や、術前・術中・術後に外科手術と組み合わせて治療を行います。放射線治療には特殊な設備が必要なため、治療を行う際には大学病院へ紹介となります。

化学療法

リンパ腫や白血病などの一部の腫瘍では化学療法が第一選択となります。また、術後の転移再発の抑制を目的とした術後化学療法や、放射線療法と組み合わせて行われます。

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