腫瘍に関する科学的根拠にもとづいた
専門的な腫瘍治療を行っています
当院では適切な検査・鑑別診断を実施し、
最適な治療計画を提案するように努めています。
腫瘍科は腫瘍(がん)の診断・治療に特化した診療科です。当院の院長・副院長はともに獣医腫瘍科Ⅱ種認定医を取得しており、腫瘍に関する科学的根拠(エビデンス)にもとづいた専門的な腫瘍治療を行っています。
“がん”は種類も豊富ですが、同じ腫瘍でも患者さんの年齢、進行の程度(ステージ)、基礎疾患などによって最適な治療法は異なります。当院では適切な検査・鑑別診断を実施し、それぞれの患者さんに最適な治療計画を提案するように努めています。がんの治療は何か一つではなく、外科治療・化学療法・放射線療法などをうまく組み合わせた集学的な治療をすることで長期生存を図ることができます。また、起こりうる副作用を熟知し、治療と並行して予防措置をとることで副作用が最低限になるよう努めています。

当院では特に力を入れている分野です。腫瘍はただ切除すれば良いというものではありません。腫瘍の種類、発生部位、悪性度(グレード)、推測される予後などによって、最適な手術方法は異なります。当院では、最大限の治療効果を得るために、必要に応じて広範囲切除・再建手術・ネオアジュバント療法なども組み合わせて外科手術を実施しております。また、高難度手術にも対応できるよう、県外の2次診療施設で外科研修を行うなどして手術手技の向上に日々努めています。他施設で「手術できない」と判断された場合でも当院で手術が可能なこともありますので、諦めずに一度ご相談下さい。(当院でも実施できない場合は県外2次診療施設を紹介させていただきます)

当院では化学療法(抗がん剤)と電気化学療法を実施しています。腫瘍の種類によってプロトコールは様々ですが、当院では科学的根拠(エビデンス)に基づいて最も効果的なプロトコールを提案しています。また、それぞれの抗がん剤の副作用を熟知することで、予防可能な副作用は予防し、生じてしまった副作用については適切に対処することを心がけています。腫瘍以外の併発疾患がある患者さんに対しては、個々の患者さんに適したオーダーメイドな化学療法を提案することもあります。もちろん、抗がん剤に副作用がないとは言いませんが、必ずしも副作用が出る辛い治療、というわけではありません。抗がん剤治療についての不安、不明点があればぜひご相談ください。


院長
篠原雄大|Yuta Shinohara
2014年鹿沼市にて、しのはら動物病院を開業。2015年、日本獣医がん学会腫瘍科2種認定医を取得。以降、他院からの紹介症例なども含め多くの腫瘍症例の治療に従事。過去の経験を活かし、また最新の情報もアップデートしつつ日々の診療にあたります。

副院長
篠原健大|Kenta Shinohara
東京・埼玉で約10年間勤務し、2024年にしのはら動物病院に赴任しました。埼玉県の病院では、腫瘍科専門外来を担当するとともに、日本小動物医療センターの外科に研修医として通い、高度な外科手術を学んできました。これまで経験した数多くの腫瘍内科及び外科症例の経験を活かして診療にあたります。
近年、予防医学の発展や飼育環境の改善などにより、犬や猫の寿命が延長しています。犬猫の高齢化に伴い、腫瘍(ガン)の発生も増加しており、高齢犬の約45%が腫瘍に関連して亡くなっているという報告もあります。
悪性腫瘍であっても早期発見、早期治療ができれば根治の可能性もあります。お腹の中や胸の中にできた腫瘍は外見では発見できませんので、特にシニア期に入った犬猫では、血液検査、レントゲン、超音波検査などの健康診断を行い、腫瘍の早期発見、早期治療を心がけましょう。
腫瘤(しこり)に対しては、通常はじめに、負担の少ない細胞診を行います。一部の腫瘍は細胞診で診断がつくことがありますが、判断が難しい場合や悪性腫瘍が疑われる場合には、情報量の多い組織生検に進みます。
腫瘍患者を診断治療していく上で、病期の進行度は非常に重要です。各種検査から腫瘤が悪性腫瘍であると診断された場合、以下の手順で診断を進めていきます。
当院ではWHOが採用している悪性腫瘍の進行度を評価するTNM分類を用い、悪性腫瘍の進行度を評価しています。
腫瘍が最初に発生した部位を原発巣と言います。身体検査、血液検査、レントゲン、超音波検査により原発巣の広がりを確認していきます。腫瘍の種類や発生部位によっては、CTやMRIなどの高度な画像検査が必要となることもあります。
腫瘍がリンパ管を通じて転移を生じる場合、まず始めに原発巣の所属リンパ節に転移を生じます。所属リンパ節は腫瘍の発生する部位によって変化するため、触診、レントゲン、超音波検査などにより確認します。
リンパ節の腫大が確認されたら、細胞診や組織検査により腫瘍の浸潤の有無を確認します。
原発巣から離れた部位へ腫瘍が転移することを遠隔転移と言います。肺、肝臓、脾臓、その他、様々な部位に生じることがあるため、レントゲンや超音波検査などを用いて、遠隔転移の有無を評価していきます。
上記のTNM分類により腫瘍の進行状況を把握し、治療の目的を決定します。治療目的は以下の3つに分けられます。
完全なる腫瘍の根絶が目的。治るならQOL(quality of life;生活の質)の若干の低下も許容
QOLの向上・維持が目的、腫瘍増殖をできるだけコントロール
QOLの維持のみが目的
治療目的が決定したら、飼主様と相談の上、治療法を決定していきます。治療法は腫瘍の種類や発生部位によっても変化してきます。中心となる治療法は以下の通りで、必要に応じて組み合わせて治療を行います。
多くの腫瘍で第一選択となる治療法です。腫瘍が限局していれば1回の手術で根治できます。必要に応じて術後に放射線療法や化学療法を組み合わせることもあります。
手術適応外の腫瘍や、術前・術中・術後に外科手術と組み合わせて治療を行います。放射線治療には特殊な設備が必要なため、治療を行う際には大学病院へ紹介となります。
リンパ腫や白血病などの一部の腫瘍では化学療法が第一選択となります。また、術後の転移再発の抑制を目的とした術後化学療法や、放射線療法と組み合わせて行われます。